ブログ説明

株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2015年4月30日木曜日

41.ミツバチを救え!~地域のネオニコ系農薬を廃止する動き~


GMMは地球環境問題を前向きに解決し、「緑豊かな」地球を目指すという意
 
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 2015
410日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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        GMM [Green Mail Magazine] No.255
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【本日の特集】
ミツバチを救え!~地域のネオニコ系農薬を廃止する動き~        
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ミツバチが私たちの生活に欠かせないことはご存知でしょうか?
彼らは世界の食料の9割をまかなう100種類の作物のうち70種類上の授粉を媒介
し、家畜の飼料の生産にも貢献しています。
しかし、2000年代からミツバチの大量死が確認されたという話に始まり、2007年
には北半球のミツバチの4分の1が姿を消したという報告もあります。(※1)
その原因の一つがネオニコチノイド(以下、ネオニコ)系農薬です。
これは、浸透性が高く、効果が維持されるため出荷量が飛躍的に伸びた農薬の
一つです。同時に、洗っても落ちないため、私たちは野菜と一緒に摂取してし
まいます。
この農薬を長期間摂取したり、一度に大量に摂取することで手指の震え、不整
脈、頭痛、嘔吐などの食中毒症状を示す人も出てきています。(※2)
前回の記事で、政府のネオニコ系農薬の基準を緩めようとする動きについて触
れましたが、それとは別に特定の地域ではネオニコ系農薬の影響を考慮し、自
主規制する動きが始まっています。
例えば、群馬県渋川市は、ネオニコ系農薬と有機リン系農薬を使わずに育てた
農産物を認証する制度を作りました。(※3)
愛媛県今治市では地元の有機農産物を優先的に学校給食に使っています。(※4)
鹿児島県、高知県でも天敵を活用することでネオニコ系農薬を使わない栽培を
進めています。
上記の地域はネオニコ系農薬の影響を考え、使わない道を自らの意思で決定し
たのです。その決定は地域の人たちが声を上げ、取り組んだ結果です。
私たちは、たとえば、学校給食に地元の有機野菜を使うよう市に要望を出すこ
とや有機野菜・減農薬野菜をなるべく選んで購入することで、自分の生活の中
から有機農法・減農薬農法を応援することができます。
そして上記のような活動に積極的に関わっていくことで、足元から変化を起こ
していきましょう。

※1 NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
http://kokumin-kaigi.org/wp-content/uploads/2011/03/Neonicotinoid2012-11.pdf
※2
『AERA』 2008/9/22号、2008/12/1号、臨床環境医学21号(2012年)より
※3 選別農薬農法農作物の認証マーク
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/kouhou/documents/senbetu_1.pdf
※4 愛媛県今治市 農水港湾部 農林振興課
http://www.city.imabari.ehime.jp/nourin/tisan_tisyo/tisantisyo01.html
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【発行】株式会社フルハシ環境総合研究所

2015年4月3日金曜日

40.農薬を召し上がれ!? ~食卓にしのびよる残留農薬~

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 2015年4月2日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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        GMM [Green Mail Magazine] No.254
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【本日の特集】
1.農薬を召し上がれ!? ~食卓にしのびよる残留農薬~  
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あまり知られていないことですが、日本の野菜に使われる農薬は、欧州の規制
に比べ緩いという現実があります。例えば、ネオニコチノイド系農薬は、米国
の10倍、欧州の100倍も緩いのです。(※1)
欧州では、農作物の授粉を助けるミツバチに対して有害性があるとし、ネオニ
コチノイド系農薬3種類(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)
の使用規制が2013年12月1日に実施されています。その後も、ネオニコチノイド
系農薬の2種類(アセタミプリド、イミダクロブリド)について、「人間の神経
系および脳の構造の発達に悪影響を与えるかもしれない」という見解から、欧
州食品安全機関(EFSA)では、規制強化の検討、毒性の再評価が進められてい
ます。(※2)
しかし、規制の波は残念ながら日本には届いていません。それどころか、農薬
を製造・販売するメーカーから、ネオニコチノイド系農薬の残留基準値引き上
げが申請され、政府は食品への残留基準を緩めようとしています。(※3)
過去、ネオニコチノイド系農薬のパブリックコメントが募集され、1600以上も
のコメントが寄せられ一端保留にはなったものの、つい先日もまた、ネオニコ
チノイド系農薬のパブリックコメントが行われました。(※4)
今、私たちの食は重要なターニングポイントにあります。国の規制緩和につい
ては、厳しい目で見てください。そしてネオニコチノイド系農薬の危険性を知
り、周囲の人に伝える努力をする必要があります。食卓の安全は、私たち一人
ひとりが知り、変わることで、守ることができるのです。そして、大手のスー
パーなどでは有機野菜を、産直市場では減農薬・無農薬を明記した野菜や生産
状況を見せているところの野菜を選んでください。購買活動は、商品に票を投
じる行為と同じなのですから。
次回は、ネオニコチノイド系農薬が危険視されている理由と、その使用に反対
する地域の取り組みについて紹介します。(所員:太田)

※1 ダイオキシン国際会議ニュースレターVol.59
※2
欧州食品安全機関:欧州委員会に食品の安全性について専門的助言を行う独立
                  評価機関
欧州食品安全機関プレスリリース
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/131217.htm
※3 厚生労働省HP 薬事・食品衛生審議会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji.html?tid=127884
※4 パブリックコメント
「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の一部改正
(食品中の農薬(アセタミプリド)の残留基準設定)」に関する意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495140473&Mode=0
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39.どうなる日本の農業-「危機」を煽るのではなく「魅力」で解決するための一考察-(4)

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【本日の特集】
1.どうなる日本の農業
-「危機」を煽るのではなく「魅力」で解決するための一考察-(4)       
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【自給することで得られること】
犬山農芸の活動には畑や田んぼ作業の他に、麹造りや味噌作り、日本みつばち
の養蜂といったように多岐に渡ります。目指すのは「百の命を生かす営みをす
る百姓」。ですが佐藤さんはもちろん全ては自給できていないし、スーパーに
も行くそうですが、買ってきた野菜と自分の育てた野菜を何気なく置いておい
た時に、「腐り方が違う」と気がついたそう。
「自分たちの作った野菜は『しぼんでいく、枯れていく』のに対し、買ってき
た野菜は『溶けていく』ように腐っていった。自分の体の腐敗の仕方も考える
と同じなんじゃないかと思う。それに畑を始めて思ったのは自分は土を食べて
いるんだと思ったね。」
スーパーに並ぶ野菜が全て悪いとは言えませんが、自分たちで作ると農作業の
大変さを感じたり、土から見えてくるもの、実感すること、食べ物に対しての
見方が変わるのでしょう。
かつては誰もが行っていたお百姓。自分の食卓を自分の手で賄うことは、「作
物ができる」ということだけでなく、大きく得るものがあるように思います。

【川が地域をつくる】
また、日本の自給率についても質問をすると思いもよらない話を伺うことがで
きました。
「今、自給率は39%だけど、もっとこれから下がっていくよね…でもこればっ
かりはどうしよもないと思ってる。今年の4月に統一地方選があるんだけど、
そこで木曽川流域の地域政党を作ろうと思ってるんだよね」突然、政治の話が
湧きあがり疑問符が浮かびましたが、つまりは御嶽山から名古屋まで、木曽川
流域の地域の市議や議員で地域政党を立ち上げて、バラバラになってしまった
利権を木曽川流域という土地に戻し意識するような政治をしたらいいのではな
いか、グローバルもいいけどその地域で食糧くらいまわせる政治をしたらいい
のでは。というイメージだそう。
食糧自給率と聞くと「輸入をどうするのか」「農業を全国で増やさねば」と大
きく考えてしまいがちですが、木曽川という一本の川を基盤にして一つの地域
とし、その範囲での自給率を考えようという試みなのです。実際に犬山市の議
員さんにその話を持って行ったところ反応がよく、今はその地域政党のチラシ
を作ろうとしている段階だそうです。
「犬山市だけでは自給自足は回らないと思うから、名古屋とか岐阜の山奥の地
域とか連携をとったらいいんじゃないかと思う。市議には後援会というのがあっ
て、それぞれの地域で後援会のおもてなしをし合ったら交流にもなるし、相互
の人達が行き来して活性化にもつながるよね。食もエネルギーもその中でまわ
せたら面白いよね。」

【未来に希望の光を見るために、楽しさの中に農を発見する】
佐藤さんの話を伺っていると「これをしたら楽しいと思う」や「面白いよね」
という言葉がよく登場し、「遊びが暮らし」という言葉が思い浮かびます。
それが社会に役立つ事であったり、地域を助けることであったりするので、他
の人をうまく巻き込んでいくポジティブなパワーがあるのです。
「自給率よりうちの家計の方がやばいけどね」と話す彼ですが、いつも真剣で
楽しそう。社会の問題に対して考えるだけではなく、楽しい方向へやってみる
という気持ちがまずあるのかもしれません。
「畑や田んぼはほっといても育つからね。効率化を求めなければ、誰にだって
できるよ」
まずはやってみてそこから自分のできる範囲で一人一人が楽しめばいい。佐藤
さんは都会育ちの非農家でも「農ある暮らし」はできるんだとお手本を見せて
くれる存在であり、衰退する農業を救う一つの希望の存在なのだと感じました。
さて、冒頭にお話した私たち夫婦の実家や祖母の田んぼ。週末だけの作業でプ
ロから見たらまるでおままごとのように見えるかもしれません。
ですが、まずはできる範囲で体を動かしてみようと思うのです。(研究員:高井)

犬山農芸
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