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味を込めて、「グリーンメールマガジン」と名付け、皆様にお届けする環境
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2015年8月21日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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GMM [Green Mail Magazine] No.268
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【本日の特集】
再始動、CO2削減の道(2)
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(再始動、CO2削減の道(1)記事はこちら)
温室効果ガスを26%削減しても、気候変動は止められない。
政府は温室効果ガス削減目標「2030年までに26%削減(2013年比)」を決定し、
7月に国連気候変動枠組条約事務局に提出した。実際、この削減率では気候変
動を止められないため、2050年には80%削減が必要である。これは「日本の約
束草案」にも言及されている。温暖化対策は私たちに長期にわたる強い努力を
求め続ける。すでに対応を済ませている企業も少なくない。1月に日経環境経
営度調査で1位となったコニカミノルタは、製品ライフサイクルにおいて2016年
40%削減、2050年80%削減という目標を設定し、評価されている。
とはいえ、26%削減は十分に高いハードルである。どのような方法で実現する
のか、まずは削減の内訳を確認しておこう。
当然と言えば当然だが、エネルギー全体で25%、メタンや代替フロン等の削減
を含めて26%となっている。それではエネルギーのどこを削減するのか。火力
発電(LNG・石炭・石油)の比率は、震災前の63%から56%まで減らす。残る
44%はCO2を排出しない「ゼロエミッション電源」(再エネと原子力)で供給
する。これで電力由来のCO2は34%減る。
では、事業者はどのような方法で削減するのか。「日本の約束草案」にも記載
されているが、要約すると次のようにまとめられるだろう。古い設備の改修、
導入率の低い革新技術の普及、燃料転換、新技術の開発等。自社排出だけでな
く、前述のコニカミノルタのようなライフサイクル視点の取り組みも求められ
る。
最後に、温暖化対策(CO2削減)と経済の関係性を象徴する取り組みを紹介し
たい。企業のCO2排出は、投資家・金融機関から非常に大きなリスクと見られ
ている。すでに大手企業は、投資家・金融機関からCO2排出量の情報開示を要
求されており、情報の網羅性と精度を評価されている。大手企業はサプライ
チェーンに対してCO2排出量の調査を行わなければ情報の網羅性と精度を担保
できないため、対応は大手企業に留まらない。これは、CDP(カーボン・デ
ィスクロージャー・プロジェクト)と言われる取組みで、総計95兆米ドルの資
産を有する822の機関投資家が参加している(2015年3月時点)。
政府の規制はこれからも強くなる一方であろうし、投資家からの圧力も日増し
に強くなっていく。震災、原発事故を経験し、エネルギーをもう一度考え直す
期間を経た私たちだが、CO2削減の道をもう一度しっかりと見通して、進むし
かないのだ。(所員:浅井)
「日本の約束草案」の地球温暖化対策推進本部決定について
http://www.env.go.jp/press/101241.html (環境省2015年7月17日)
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【発行】株式会社フルハシ環境総合研究所
ブログ説明
株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。
2015年8月26日水曜日
2015年7月31日金曜日
53.「ごみ」が「アート」に変わるとき
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GMM [Green Mail Magazine] No.267
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【本日の特集】
「ごみ」が「アート」に変わるとき
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「 “美しくて面白いごみ”が、たくさん捨てられています。アイデア次第で、ごみにも新しい命を吹き込むことができます。その過程で、新しいモノと人との関係も生まれていくはずです」と語るのは、博物館や美術館を舞台に、学びとコミュニケーションの機会を提案するミュージアム・エデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さんだ。
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GMM [Green Mail Magazine] No.267
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【本日の特集】
「ごみ」が「アート」に変わるとき
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「 “美しくて面白いごみ”が、たくさん捨てられています。アイデア次第で、ごみにも新しい命を吹き込むことができます。その過程で、新しいモノと人との関係も生まれていくはずです」と語るのは、博物館や美術館を舞台に、学びとコミュニケーションの機会を提案するミュージアム・エデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さんだ。
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廃材の仕分け作業。
カラフルで眺めるだけも楽しい |
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「クリエイティブリユース~廃材と循環するモノ・コト・ヒト~」
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大月さんが「ゴミに目覚めた」のは、1986年にアメリカのチルドレンズミュージアムを訪れた時。そこで出会った「廃材を商品として安価に販売するショップの雑多な美しさと面白さ」に心を奪われた。ゲームや教材の部品、紙のコースターなどの廃材で、生き生きと作品づくりを楽しむ子どもたちの姿も、深く心に刻まれた。廃材の虜となった大月さんは、以降、世界各地で廃材リユースの取り組みを7年かけて取材した。それを基に生まれたのが、「クリエイティブリユース~廃材と循環するモノ・コト・ヒト~」(millegraph 刊/\税込2,160)という一冊の本だ。国内外のNPOや行政、企業が取り組む「廃材のリユース」40事例を取り上げる。陶器やガラスの破片で作られたインドの大庭園、パソコンのキーボードで作られたアクセサリーが人気の北欧のデザインブランド、米袋で作られたカラフルなトートバッグが注目される長野県の福祉事務所など、積極的にクリエイティブリユースに取り組む団体や魅力的な作品、商品などが紹介される。
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織の作品が松の枝に展示された「IDEA R LAB」の外観
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そんな大月さんが、2013年に岡山県倉敷市玉島の実家の蔵を改造してオープンさせたのが、廃材アートの発信拠点「IDEA R LAB(イデア・アール・ラボ)」だ。ここはまさにクリエイティブリユースの実験場。廃材を使ったさまざまなアート作品や、素材としての魅力を放つ廃材そのものの展示のほか、クリエイティブリユースをテーマに、さまざまなワークショップや創作イベントが不定期に開催される。
「クリエイティブリユースに関わる人たちが、世代や立場を軽々と越えてコミュニケーションを取ったり、地域コミュニティの連帯感を強めたりするのを目の当たりにして、クリエイティブリユースの持つ力を実感しています」(大月さん)
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「IDEA R LAB」でのワークショップの様子
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さまざまな素材が織り込まれた作品。
廃材で作られたとは思えない出来栄え
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持続可能な社会の実現を目指すとき、「Re~」は重要なキーワードの1つだろう。消費こそが経済の原動力という時代はすでに終わったのだ。大月さんの進めるクリエイティブリユースは「買って、使って、捨てる」という一方向的な消費のあり方に一石を投じる。つつましくも心豊な暮らし方の具体例として、クリエイティブリユースは無限の可能性を秘めているのではないだろうか。(所員:村本)
※ラボのオープンは不定期で、見学は事前予約制
2015年7月27日月曜日
52.公園全体を彫刻作品に ~札幌市「モエレ沼公園」~
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GMM [Green Mail Magazine] No.266
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【本日の特集】
公園全体を彫刻作品に ~札幌市「モエレ沼公園」~
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札幌市東区の「モエレ沼公園」は、札幌市の市街地を公園や緑地帯で包み込も
うという「環状グリーンベルト構想」の拠点公園として計画された。基本設計
は世界的にも著名な彫刻家イサム・ノグチ氏。世界中で愛される行燈風の照明
器具「AKARI」のデザイナーとしても知られる。
1988年3月、初めて札幌市を訪れたノグチ氏は、すでに建設が始まっていたモ
エレ沼公園に強い関心を示す。当時、モエレ沼の内陸部は不燃ゴミの埋め立て
地として利用されていた。ゴミが舞い散る大地に立ったノグチ氏は「人間が傷
つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です」と語り、自らモエレ沼
公園の計画に参加することを申し出た。札幌市がこれに応える形でノグチ氏に
設計を依頼。「公園全体をひとつの彫刻作品に」というコンセプトとともに、
周辺の環境や景観との調和を図りつつも、ダイナミックな造成を行うマスター
プランが打ち出された。その後、ノグチ氏の急逝という大きな困難を乗り越え、
2005年、モエレ沼公園は着工から23年の歳月を経てグランドオープンの日を迎
えた。
総面積188.8ヘクタールの園内には、ノグチ氏デザインによる、幾何学的なフォ
ルムの山や噴水、遊具などが整然と配置され、春の桜、夏の噴水、秋の紅葉、
冬の雪景色と、四季折々の景観を楽しむことができる。園内の施設では、雪を
活用した「雪冷房システム」をはじめ、北海道らしい自然エネルギーが随所で
活用されている。また、公園のシンボル「モエレ沼」は、洪水から地域を守る
「雨水貯留池」の役割を担うほか、オオハクチョウやカモ類などの野鳥観察や
魚釣りで、自然とのふれあいも楽しめる。
イサム・ノグチの「遺作」となったこの「作品」は、「人が傷つけた自然を再
生するのが僕の仕事」というノグチ氏の思いを未来へとつなげる、壮大な「環
境遺産」の1つと呼んでも良さそうだ。 (所員:村本)
※「モエレ」の語源はアイヌ語の「モイレペツ」と言われている。
「モイレ」は「静かな水面」・「ゆったりと流れる」、「ペツ」が「川」を
意味する。
モエレ沼公園http://moerenumapark.jp/
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GMM [Green Mail Magazine] No.266
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【本日の特集】
公園全体を彫刻作品に ~札幌市「モエレ沼公園」~
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札幌市東区の「モエレ沼公園」は、札幌市の市街地を公園や緑地帯で包み込も
うという「環状グリーンベルト構想」の拠点公園として計画された。基本設計
は世界的にも著名な彫刻家イサム・ノグチ氏。世界中で愛される行燈風の照明
器具「AKARI」のデザイナーとしても知られる。
1988年3月、初めて札幌市を訪れたノグチ氏は、すでに建設が始まっていたモ
エレ沼公園に強い関心を示す。当時、モエレ沼の内陸部は不燃ゴミの埋め立て
地として利用されていた。ゴミが舞い散る大地に立ったノグチ氏は「人間が傷
つけた土地をアートで再生する。それは僕の仕事です」と語り、自らモエレ沼
公園の計画に参加することを申し出た。札幌市がこれに応える形でノグチ氏に
設計を依頼。「公園全体をひとつの彫刻作品に」というコンセプトとともに、
周辺の環境や景観との調和を図りつつも、ダイナミックな造成を行うマスター
プランが打ち出された。その後、ノグチ氏の急逝という大きな困難を乗り越え、
2005年、モエレ沼公園は着工から23年の歳月を経てグランドオープンの日を迎
えた。
総面積188.8ヘクタールの園内には、ノグチ氏デザインによる、幾何学的なフォ
ルムの山や噴水、遊具などが整然と配置され、春の桜、夏の噴水、秋の紅葉、
冬の雪景色と、四季折々の景観を楽しむことができる。園内の施設では、雪を
活用した「雪冷房システム」をはじめ、北海道らしい自然エネルギーが随所で
活用されている。また、公園のシンボル「モエレ沼」は、洪水から地域を守る
「雨水貯留池」の役割を担うほか、オオハクチョウやカモ類などの野鳥観察や
魚釣りで、自然とのふれあいも楽しめる。
イサム・ノグチの「遺作」となったこの「作品」は、「人が傷つけた自然を再
生するのが僕の仕事」というノグチ氏の思いを未来へとつなげる、壮大な「環
境遺産」の1つと呼んでも良さそうだ。 (所員:村本)
※「モエレ」の語源はアイヌ語の「モイレペツ」と言われている。
「モイレ」は「静かな水面」・「ゆったりと流れる」、「ペツ」が「川」を
意味する。
モエレ沼公園http://moerenumapark.jp/
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2015年7月17日金曜日
51.環境取り組みのきっかけとなりそうなおススメ絵本
GMMは地球環境問題を前向きに解決し、「緑豊かな」地球を目指すという意
味を込めて、「グリーンメールマガジン」と名付け、皆様にお届けする環境
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GMM [Green Mail Magazine] No.265
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【本日の特集】
環境取り組みのきっかけとなりそうなおススメ絵本
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数年前のことになるが、「ナマケモノのいる森で」という絵本を誕生日プレゼントとしていただいた。森の景色や動物たちが立体的に立ち上がる仕掛け絵本で、ついついめくることの面白さに夢中になってしまった。改めてお話を読んでみると、「森の破壊と再生」をテーマにしたとても魅力的なストーリーだった。この本の中で語られるのは「自然を破壊してしまうのも人だが、生き返らせることができるのも人」という明確で強いメッセージだ。
このことをきっかけに、子どもたちはもちろん、環境問題にあまり関心のない大人にとっても、「絵本」が環境取組みのきっかけになるのでは、と考えていた。そんなことを思いつつ、名古屋市千種区の「メルヘンハウス」を訪ねた。ここは1973年に日本初の「子どもの本の専門店」として誕生し、常時約3万冊の絵本や児童書を取り扱う老舗書店。店長の浅野友美さんにアドバイスをいただきながら、一緒に「環境取組みのきっかけ」になりそうな絵本を、3冊ほどチョイスしてみた。表紙の画像は以下のブログページにてご覧いただける。中身については、ぜひ実物を書店で手に取ってご覧いただきたい。
①『いけいけ どんどん!~ウミガメたちの ものがたり~』 ○絵と文/宇治 勲 ○PHP研究所
○\1,200(税別)
ウミガメの一生をテーマにした、シンプルでわかりやすいストーリー。浜辺で孵った子ガメが、海の中でさまざまな捕食者と闘いながら成長し、やがて……。厳しい生存競争の中、生き残って親になることの難しさがダイレクトに語られる。そのことは残酷であるとともに改めて感動的でもある。「人の手の届かない自然の素晴らしさ」を実感できる。
②『ざっそうの名前』○長尾 玲子作○福音館書店○ \1,100(税別)
おじいちゃんの家に遊びにきた孫の太郎が、おじいちゃんからさまざまな雑草の名前や特徴を教わっていく、というお話。身の回りに生えているすべての雑草にも「名前」があり、生き延びるための知恵や工夫の数々を知って太郎は驚く。自然の持つ力、たくましさが「雑草」というモチーフからダイレクトに伝わってくる。刺繍で描かれた草や花が生き生きと美しく、大人でも十分に楽しめる絵本だ。
③『わたしが ぼくが ちきゅうのためにできる 10のこと』○メラニー・ウォルシュ作○チャイルド本社
○\1,500(税別)
この絵本は、タイトル通りダイレクトに環境問題にアプローチする。ただし、「お勉強的堅苦しさ」はまったくない。楽しい仕掛けとおおらかな作画、わかりやすいメッセージで、「わたしたちにできること」が語られる。メッセージが、頭の中よりも「心の中」に響く。
まだまだ他にも紹介したい絵本がたくさんあるが、今回はスペースの都合で3冊を厳選した。ネット社会の到来で、紙媒体がやや肩身の狭いポジションに置かれている。しかし、本を1ページずつめくっていくことや自分で選んだ本を誰か読んでもらう「わくわく感」は、本ならではの貴重な「原体験」となりうるのではないだろうか。子どもも大人も「絵本」を楽しみながら、環境を考える時間が持てるとしたら、とても素敵なことだなと思う。(所員:村本)
○メルヘンハウスhttp://www.meruhenhouse.co.jp/
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【本日の特集】
環境取り組みのきっかけとなりそうなおススメ絵本
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数年前のことになるが、「ナマケモノのいる森で」という絵本を誕生日プレゼントとしていただいた。森の景色や動物たちが立体的に立ち上がる仕掛け絵本で、ついついめくることの面白さに夢中になってしまった。改めてお話を読んでみると、「森の破壊と再生」をテーマにしたとても魅力的なストーリーだった。この本の中で語られるのは「自然を破壊してしまうのも人だが、生き返らせることができるのも人」という明確で強いメッセージだ。
このことをきっかけに、子どもたちはもちろん、環境問題にあまり関心のない大人にとっても、「絵本」が環境取組みのきっかけになるのでは、と考えていた。そんなことを思いつつ、名古屋市千種区の「メルヘンハウス」を訪ねた。ここは1973年に日本初の「子どもの本の専門店」として誕生し、常時約3万冊の絵本や児童書を取り扱う老舗書店。店長の浅野友美さんにアドバイスをいただきながら、一緒に「環境取組みのきっかけ」になりそうな絵本を、3冊ほどチョイスしてみた。表紙の画像は以下のブログページにてご覧いただける。中身については、ぜひ実物を書店で手に取ってご覧いただきたい。
①『いけいけ どんどん!~ウミガメたちの ものがたり~』 ○絵と文/宇治 勲 ○PHP研究所
○\1,200(税別)
ウミガメの一生をテーマにした、シンプルでわかりやすいストーリー。浜辺で孵った子ガメが、海の中でさまざまな捕食者と闘いながら成長し、やがて……。厳しい生存競争の中、生き残って親になることの難しさがダイレクトに語られる。そのことは残酷であるとともに改めて感動的でもある。「人の手の届かない自然の素晴らしさ」を実感できる。
②『ざっそうの名前』○長尾 玲子作○福音館書店○ \1,100(税別)
おじいちゃんの家に遊びにきた孫の太郎が、おじいちゃんからさまざまな雑草の名前や特徴を教わっていく、というお話。身の回りに生えているすべての雑草にも「名前」があり、生き延びるための知恵や工夫の数々を知って太郎は驚く。自然の持つ力、たくましさが「雑草」というモチーフからダイレクトに伝わってくる。刺繍で描かれた草や花が生き生きと美しく、大人でも十分に楽しめる絵本だ。
③『わたしが ぼくが ちきゅうのためにできる 10のこと』○メラニー・ウォルシュ作○チャイルド本社
○\1,500(税別)
この絵本は、タイトル通りダイレクトに環境問題にアプローチする。ただし、「お勉強的堅苦しさ」はまったくない。楽しい仕掛けとおおらかな作画、わかりやすいメッセージで、「わたしたちにできること」が語られる。メッセージが、頭の中よりも「心の中」に響く。
まだまだ他にも紹介したい絵本がたくさんあるが、今回はスペースの都合で3冊を厳選した。ネット社会の到来で、紙媒体がやや肩身の狭いポジションに置かれている。しかし、本を1ページずつめくっていくことや自分で選んだ本を誰か読んでもらう「わくわく感」は、本ならではの貴重な「原体験」となりうるのではないだろうか。子どもも大人も「絵本」を楽しみながら、環境を考える時間が持てるとしたら、とても素敵なことだなと思う。(所員:村本)
○メルヘンハウスhttp://www.meruhenhouse.co.jp/
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2015年7月7日火曜日
50.再始動、CO2削減の道(1)
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GMM [Green Mail Magazine] No.264
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【本日の特集】
再始動、CO2削減の道(1)
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「京都議定書」はすでに化石のような言葉になってしまった。なぜなら議定
書の約束期間は2008年から2012年まで、すでに3年前に賞味期限が切れてしまっ
ているからだ。
いよいよ政府が温室効果ガス削減目標(案)を発表した。2030年までに26%
削減(2013年比)。東日本大震災以降、混乱を極めたエネルギー状況が一段落
したこのタイミングで目標が作成されたのだが、2030年度の電源構成は、再エ
ネ22~24%、原子力20~22%、LNG27%、石炭26%、石油3%。
なんと原子力が20%も想定されている。この点は、与党が選挙に勝った時点
で再稼働の方向に進むことが半ば決定していたとも言える。だが、地元の同意
を得るのはそれほど簡単なことではないだろう。地震や噴火がこれだけ頻発す
るなかで、原発を再稼働するのは蛮勇と言わざるを得ない。
原発について考えるため、読者の皆様に次の動画を見ていただきたい。これは、
福島の放射性廃棄物の規模がわかるように保管場をドローンで空撮したものだ。
ドローンで撮影された放射性廃棄物保管場(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=UCP7PFT9coU&noredirect=1
まだこれからも果てしなく増え続けていく放射性廃棄物。故郷を奪われ、財産
を奪われ、心を深く気付けられている被害者の方々。私たちは便利さと引き換
えに、今後もリスクを背負い続けてもいいのだろうか。再稼働は行うべきでは
ない、と私は思う。
今回は少し横道に逸れてしまったが、次回は26%削減についてもう少し掘り下
げて、考えてみたい。
※約束草案のパブコメ募集中です(7/2迄)。草案内容も掲載されています。
「日本の約束草案(政府原案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)
http://www.env.go.jp/press/101079.html
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2015年6月30日火曜日
49.「給食がおいしい」が自慢の地域づくり(2)
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GMM [Green Mail Magazine] No.263
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【本日の特集】
「給食がおいしい」が自慢の地域づくり(2)
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私が小学生の頃、給食係は白いエプロンをつけ、給食室から大きな鍋を二人が
かりで教室まで運んだ。おなかはぺこぺこで重たい鍋から立ち上るシチューや
味噌汁の匂いが鼻をくすぐった。同じ頃の記憶で、母が祖母の作った無農薬野
菜はさっと洗うだけで皮ごと料理するが、スーパーで購入した虫食いのない野
菜はしっかり洗って料理していたことも思い出す。「おいしい」と「安全」そ
の両方を兼ね備えた子どもたちのお昼ごはんはどんなものだろうか?今回はそ
の一例として愛媛県今治市の取り組みについて紹介する。
今治市では、子どもたちが箸と椀を手にすると先生や栄養士から献立に使われ
た有機野菜の産地や郷土料理についての説明がある。学校給食はおいしいと評
判で、食べ残す子どもはほとんどいない。また、食育の効果もあり、本市の給
食を食べて育った人はそうでない人に比べ、産地や生産者を確認し食品添加物
に注意する傾向が高く、特に地元産を購入する意欲は2倍も高い。(※1)
現在、給食に使われるお米は全量、市内産の特別栽培農作物(農薬・化学肥料
当地比50%以上削減)、特に一部の地区では旬の野菜を中心に、鶏肉、鶏卵な
どもポストハーベストフリーの遺伝子組み換えでない自家配合飼料を用いた鶏
が使われており、完全な有機野菜の導入は約60%に至っている。(※2)
もともと「子や孫に自分たちの作った安全で新鮮な農産物を食べさせたい」と
いう地元の声がきっかけで始まったこの取り組みは、「今治市食と農のまちづ
くり条例」における「市は、学校給食での今治産の有機農産物等の安全な食材
の使用割合を高めること、また、遺伝子組み換え作物及びその加工食品を使用
しないこと」という宣言を基盤に市場にも影響を与えている。
給食で優先的に有機食品を購入すると八百屋などの市場でも有機食品が仕入れ
られるようになり、子どもたちが学校農園でJAS有機認証の農業を行うと大人
の農業者が影響を受ける。今では地元スーパーはもちろん、巨大資本の全国
スーパーでも「地産地消」「有機」を優先的に店頭に並べており、学校給食が
地域経済に貢献していることがうかがえる。
最後に、上記のように地域で農薬を減らす試みがある一方で、厚生労働省は5月
19日、ネオニコチノイド系農薬「クロチアニジン」「アセタミプリド」の食品
中での残留基準の大幅な緩和を行ったことを、官報で告示した。(※3)
私の祖母は農業を営んでおり、農家の苦労もわかるので農薬絶対反対!とは思
わない。しかし、虫食いひとつない野菜を買いたいとも思わない。ただ国の規
制緩和より、今治市で声を上げた方々の気持ちの方に共感するだけである。
さて、子どもたちのお昼ごはんに使う食材に必要な農薬の種類と量は、だれが
考えるべき問題か?
※1 内閣府 地域活性化総合情報センター SAISEIニュース
http://www.chiiki-info.go.jp/local/saisei/detail/091202_1.html
※2 第5回丸亀市学校給食業務等民間活力検討委員会 資料編
http://www.city.marugame.kagawa.jp/pdf/kaigikaisai/15_shiryou.pdf
※3 国立印刷局 官報 号外110号
https://kanpou.npb.go.jp/20150519/20150519g00110/20150519g001100001f.html
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【発行】株式会社フルハシ環境総合研究所
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2015年6月22日月曜日
48.「給食がおいしい」が自慢の地域づくり(1)
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2015年6月5日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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GMM [Green Mail Magazine] No.262
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【本日の特集】
「給食がおいしい」が自慢の地域づくり(1)
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私には保育園に通う子供がおり、迎えに行くと昇降口に貼り出された本日の給
食の写真をチェックするのが日課のひとつとなっている。市は給食に使用する
食材の産地をホームページで公開しており、そこから近郊で生産された野菜を
優先的に使用する姿勢を見ることができる。しかし、有機・減農薬などの生産
時の配慮は言及されていない。問い合わせたところ、「野菜の農薬検査につい
てはJA等一般に流通しているものを使用しているため実施なし」との返答で
あった。
それに比べ、欧州では学校や病院などの公共施設内の食堂などを対象に、有機
食品の使用比率の目標を設定するなど、国策として有機食品の利用を促進して
いる国も存在する。
(例:フランス:20%(2017年)、デンマーク:60%(2020年))
これらの背景には、農薬の摂取に疑問をもつ消費者がオーガニック商品を選ぶ
動きがあるだけではなく、国策として有機農法を重要視しているという理由が
ある。
欧州では、1960 年代にEUの共通農業政策にて、自給自足を促すための食糧生
産支援を行った結果、生産過剰、農業生産に伴う環境汚染がもたらされた。
その反省を踏まえ、過剰生産の抑制とそれによる公的支出額の削減、付加価値
による所得確保、環境保全の促進につながるものとして、有機農法を重視した
政策に舵が切られた。(※1)
日本の有機農法が進まない理由は、欧州とは異なり自給率が低いため生産を抑
制する必要はないこと、雨が多く、高温多湿な気候・土地柄では、病害虫や雑
草が発生しやすいため農薬なしでは農家の負担が大きいこと、大規模農業でな
いため管理に手間がかかることが挙げられる。(※2)
しかし、第271回のグリーンメールマガジンに掲載したように、農薬による自
然環境破壊や人体への影響が科学的に証明されつつあり、地域的に農薬使用量
を抑えた農業が増えてきている。(※3)
弊社の親会社であるフルハシEPO(株)でも無農薬無化学肥料栽培プロジェクト
を進めている。また、給食に地元で育てた有機野菜などを優先的に提供するこ
とで市場にも受け入れられたケースもある。次回はその一例として愛媛県今治
市の取り組みついて紹介する。
参照
※1:ジェトロ オーストリア有機農法動向
http://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001677/organic-ldn.pdf
※2:農薬工業会 農薬は本当に必要?
http://www.jcpa.or.jp/qa/a6_10.html
※3:グリーンメールマガジン第271回
http://fuluhashi-env.blogspot.jp/
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