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株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2014年4月30日水曜日

5.環境経営イノベーション論(4)

環境経営イノベーション論(4)


■環境経営イノベーション
これまでの3回で環境経営の進化・発展の状況について考えてきた。
「環境経営イノベーション(1)」のなかでは環境経営はもう古いのか、とい
う問いを立てたが本当にそうなのだろうか。今回はあらためて環境経営のイノ
ベーションについてまとめてみたい。
まずは、前回取り上げた「生物多様性」ついて、企業の取組みが定量的にどう
変化したのかを確認してイノベーションの度合いを推し量ってみよう。

■「生物多様性」の取組みは5年間で約2倍
2009年1月に当社が調べた、環境・CSR報告書に「生物多様性」が掲載されてい
た企業は56社だった。当時と同様の方法で、あらためて現況を確認してみる
と、「生物多様性」を掲載する企業は91社まで増えており、掲載箇所は581ペ
ージ2045箇所にものぼる(日経エコロジー「環境・CSR報告書大全2014」)。

この5年間に、生物多様性に取組む企業がおおよそ倍増しており、この分野の
取組みの発展には目を見張るものがある。しかしながら、これでも企業におけ
る生物多様性の取組みは未だ導入期であり、今後もっと普及・深化していくこ
とが見込まれる。環境経営のダイナミックな変化を生物多様性の分野から垣間
見ることができる。他の分野にも同様のイノベーションが起こっているので、
今後も折を見て本紙で取り上げていきたい。

■環境経営をイノベーションする
環境経営は「環境保全」と「利益創出」を同軸で達成するものだ。新しい概念
として注目されているCSV(※)だが、環境分野ではすでに「環境経営」と
して行われてきた。「環境経営」は普遍的な概念であり、環境問題がなくなら
ない限り「もう古い」ということにはならない。
※CSV:Creating Shared Value:社会課題と企業利益の同時追求

今後、本誌において環境配慮型製品の開発(ライフサイクルアセスメント)や
環境教育、環境コミュニケーションなど個別テーマについて論を立てていくの
でご期待いただきたい。

株式会社フルハシ環境総合研究所
http://www.fuluhashi.jp/