環境経営イノベーション論(4) ■環境経営イノベーション これまでの3回で環境経営の進化・発展の状況について考えてきた。 「環境経営イノベーション(1)」のなかでは環境経営はもう古いのか、とい う問いを立てたが本当にそうなのだろうか。今回はあらためて環境経営のイノ ベーションについてまとめてみたい。 まずは、前回取り上げた「生物多様性」ついて、企業の取組みが定量的にどう 変化したのかを確認してイノベーションの度合いを推し量ってみよう。 ■「生物多様性」の取組みは5年間で約2倍 2009年1月に当社が調べた、環境・CSR報告書に「生物多様性」が掲載されてい た企業は56社だった。当時と同様の方法で、あらためて現況を確認してみる と、「生物多様性」を掲載する企業は91社まで増えており、掲載箇所は581ペ ージ2045箇所にものぼる(日経エコロジー「環境・CSR報告書大全2014」)。 この5年間に、生物多様性に取組む企業がおおよそ倍増しており、この分野の 取組みの発展には目を見張るものがある。しかしながら、これでも企業におけ る生物多様性の取組みは未だ導入期であり、今後もっと普及・深化していくこ とが見込まれる。環境経営のダイナミックな変化を生物多様性の分野から垣間 見ることができる。他の分野にも同様のイノベーションが起こっているので、 今後も折を見て本紙で取り上げていきたい。 ■環境経営をイノベーションする 環境経営は「環境保全」と「利益創出」を同軸で達成するものだ。新しい概念 として注目されているCSV(※)だが、環境分野ではすでに「環境経営」と して行われてきた。「環境経営」は普遍的な概念であり、環境問題がなくなら ない限り「もう古い」ということにはならない。 ※CSV:Creating Shared Value:社会課題と企業利益の同時追求 今後、本誌において環境配慮型製品の開発(ライフサイクルアセスメント)や 環境教育、環境コミュニケーションなど個別テーマについて論を立てていくの でご期待いただきたい。株式会社フルハシ環境総合研究所http://www.fuluhashi.jp/
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2014年4月30日水曜日
5.環境経営イノベーション論(4)
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