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株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2015年4月3日金曜日

39.どうなる日本の農業-「危機」を煽るのではなく「魅力」で解決するための一考察-(4)

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 2015年4月2日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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        GMM [Green Mail Magazine] No.253
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【本日の特集】
1.どうなる日本の農業
-「危機」を煽るのではなく「魅力」で解決するための一考察-(4)       
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【自給することで得られること】
犬山農芸の活動には畑や田んぼ作業の他に、麹造りや味噌作り、日本みつばち
の養蜂といったように多岐に渡ります。目指すのは「百の命を生かす営みをす
る百姓」。ですが佐藤さんはもちろん全ては自給できていないし、スーパーに
も行くそうですが、買ってきた野菜と自分の育てた野菜を何気なく置いておい
た時に、「腐り方が違う」と気がついたそう。
「自分たちの作った野菜は『しぼんでいく、枯れていく』のに対し、買ってき
た野菜は『溶けていく』ように腐っていった。自分の体の腐敗の仕方も考える
と同じなんじゃないかと思う。それに畑を始めて思ったのは自分は土を食べて
いるんだと思ったね。」
スーパーに並ぶ野菜が全て悪いとは言えませんが、自分たちで作ると農作業の
大変さを感じたり、土から見えてくるもの、実感すること、食べ物に対しての
見方が変わるのでしょう。
かつては誰もが行っていたお百姓。自分の食卓を自分の手で賄うことは、「作
物ができる」ということだけでなく、大きく得るものがあるように思います。

【川が地域をつくる】
また、日本の自給率についても質問をすると思いもよらない話を伺うことがで
きました。
「今、自給率は39%だけど、もっとこれから下がっていくよね…でもこればっ
かりはどうしよもないと思ってる。今年の4月に統一地方選があるんだけど、
そこで木曽川流域の地域政党を作ろうと思ってるんだよね」突然、政治の話が
湧きあがり疑問符が浮かびましたが、つまりは御嶽山から名古屋まで、木曽川
流域の地域の市議や議員で地域政党を立ち上げて、バラバラになってしまった
利権を木曽川流域という土地に戻し意識するような政治をしたらいいのではな
いか、グローバルもいいけどその地域で食糧くらいまわせる政治をしたらいい
のでは。というイメージだそう。
食糧自給率と聞くと「輸入をどうするのか」「農業を全国で増やさねば」と大
きく考えてしまいがちですが、木曽川という一本の川を基盤にして一つの地域
とし、その範囲での自給率を考えようという試みなのです。実際に犬山市の議
員さんにその話を持って行ったところ反応がよく、今はその地域政党のチラシ
を作ろうとしている段階だそうです。
「犬山市だけでは自給自足は回らないと思うから、名古屋とか岐阜の山奥の地
域とか連携をとったらいいんじゃないかと思う。市議には後援会というのがあっ
て、それぞれの地域で後援会のおもてなしをし合ったら交流にもなるし、相互
の人達が行き来して活性化にもつながるよね。食もエネルギーもその中でまわ
せたら面白いよね。」

【未来に希望の光を見るために、楽しさの中に農を発見する】
佐藤さんの話を伺っていると「これをしたら楽しいと思う」や「面白いよね」
という言葉がよく登場し、「遊びが暮らし」という言葉が思い浮かびます。
それが社会に役立つ事であったり、地域を助けることであったりするので、他
の人をうまく巻き込んでいくポジティブなパワーがあるのです。
「自給率よりうちの家計の方がやばいけどね」と話す彼ですが、いつも真剣で
楽しそう。社会の問題に対して考えるだけではなく、楽しい方向へやってみる
という気持ちがまずあるのかもしれません。
「畑や田んぼはほっといても育つからね。効率化を求めなければ、誰にだって
できるよ」
まずはやってみてそこから自分のできる範囲で一人一人が楽しめばいい。佐藤
さんは都会育ちの非農家でも「農ある暮らし」はできるんだとお手本を見せて
くれる存在であり、衰退する農業を救う一つの希望の存在なのだと感じました。
さて、冒頭にお話した私たち夫婦の実家や祖母の田んぼ。週末だけの作業でプ
ロから見たらまるでおままごとのように見えるかもしれません。
ですが、まずはできる範囲で体を動かしてみようと思うのです。(研究員:高井)

犬山農芸
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