ブログ説明

株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2015年7月31日金曜日

53.「ごみ」が「アート」に変わるとき

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 2015年7月31日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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   GMM [Green Mail Magazine] No.267
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【本日の特集】
「ごみ」が「アート」に変わるとき
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「 “美しくて面白いごみ”が、たくさん捨てられています。アイデア次第で、ごみにも新しい命を吹き込むことができます。その過程で、新しいモノと人との関係も生まれていくはずです」と語るのは、博物館や美術館を舞台に、学びとコミュニケーションの機会を提案するミュージアム・エデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さんだ。

廃材の仕分け作業。
カラフルで眺めるだけも楽しい


「クリエイティブリユース~廃材と循環するモノ・コト・ヒト~」

 大月さんが「ゴミに目覚めた」のは、1986年にアメリカのチルドレンズミュージアムを訪れた時。そこで出会った「廃材を商品として安価に販売するショップの雑多な美しさと面白さ」に心を奪われた。ゲームや教材の部品、紙のコースターなどの廃材で、生き生きと作品づくりを楽しむ子どもたちの姿も、深く心に刻まれた。廃材の虜となった大月さんは、以降、世界各地で廃材リユースの取り組みを7年かけて取材した。それを基に生まれたのが、「クリエイティブリユース~廃材と循環するモノ・コト・ヒト~」(millegraph /\税込2,160)という一冊の本だ。国内外のNPOや行政、企業が取り組む「廃材のリユース」40事例を取り上げる。陶器やガラスの破片で作られたインドの大庭園、パソコンのキーボードで作られたアクセサリーが人気の北欧のデザインブランド、米袋で作られたカラフルなトートバッグが注目される長野県の福祉事務所など、積極的にクリエイティブリユースに取り組む団体や魅力的な作品、商品などが紹介される。

織の作品が松の枝に展示された「IDEA R LAB」の外観


古本を使ったライトシェード
そんな大月さんが、2013年に岡山県倉敷市玉島の実家の蔵を改造してオープンさせたのが、廃材アートの発信拠点「IDEA  R  LAB(イデア・アール・ラボ)」だ。ここはまさにクリエイティブリユースの実験場。廃材を使ったさまざまなアート作品や、素材としての魅力を放つ廃材そのものの展示のほか、クリエイティブリユースをテーマに、さまざまなワークショップや創作イベントが不定期に開催される。
「クリエイティブリユースに関わる人たちが、世代や立場を軽々と越えてコミュニケーションを取ったり、地域コミュニティの連帯感を強めたりするのを目の当たりにして、クリエイティブリユースの持つ力を実感しています」(大月さん)

IDEA R LAB」でのワークショップの様子

さまざまな素材が織り込まれた作品。
廃材で作られたとは思えない出来栄え
持続可能な社会の実現を目指すとき、「Re~」は重要なキーワードの1つだろう。消費こそが経済の原動力という時代はすでに終わったのだ。大月さんの進めるクリエイティブリユースは「買って、使って、捨てる」という一方向的な消費のあり方に一石を投じる。つつましくも心豊な暮らし方の具体例として、クリエイティブリユースは無限の可能性を秘めているのではないだろうか。(所員:村本)
 ○「IDEA  R  LAB 」 http://www.idea-r-lab.jp/
 ※ラボのオープンは不定期で、見学は事前予約制


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