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株式会社フルハシ環境総合研究所による環境問題、環境経営に関する提言・オピニオン発信を目的としたサイトです。

2015年6月11日木曜日

46.生物多様性を受け継ぐために(1)

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 2015
522日発行 株式会社フルハシ環境総合研究所
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   GMM [Green Mail Magazine] No.260

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【本日の特集】
 生物多様性を受け継ぐために(1)
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【激動の絶滅時代を迎えて】

私は自然に囲まれた静岡県の片田舎で育った。森の谷間に咲くユリを探し、
百舌鳥(モズ)を追いかけ、川ではアメリカザリガニやカダヤシを捕まえるた
めに全身ずぶ濡れになるまで遊んだ。(当時は気付かなかったが、外来種駆除
に多少貢献していた。)
それから数十年の間に、森は切り開かれて住宅が並び、川は干上がって枯れ草
だけが残り、土手はコンクリートで固められて多くのいきものは姿を潜めた。
かつて、夕日に照らされて緑や水が輝いていた光景は、当時を生きた人の内に
しか残っていない。
そんな感傷に浸る余裕がないほど、世界の生物は激動の絶滅時代を迎えている。
生息地の減少、汚染、乱獲などにより絶滅のスピードは自然絶滅率の1,000倍
から1万倍と言われ、年間に3,000~3万種のいきものが絶滅していると予測さ
れている(※1)。


【企業が生物多様性に取り組む意義】

企業にとって生物多様性の保全は、もはや社会貢献活動ではなく、企業の存続
に関わるリスクの回避である。水や食料、木材、医薬品などの事業はもちろん
のこと、生態系と直接関わりのない携帯電話やパソコンなどの工業製品につい
ても、鉱物資源を大量に掘り起こすことで現地の生態系に少なからず影響を与
え、生物多様性がもたらす水を大量に製造工程などで使用していることを認識
しなくてはならない。2010年のCOP10で公表されたTEEB(※2)の最終報告書で
は、年間の世界の生物多様性の損失は世界全体のGDPの6~7%に相当すると報告
されている(※3)。

次回は、企業による取り組みの事例を紹介するとともに、生物多様性保全のた
めに本当に必要な取り組みについて考えたい。(所員:城山)


(※1)生物多様性保全の経済学 p.12 大沼あゆみ(2014年発行)
(※2)生態系と生物多様性の経済学
(The Economics of Ecosystem and Biodiversity)プロジェクト。
生物多様性と生態系サービスの価値を認識し、実際の保全につなげるための調
査及び報告を行っている。
(※3)進化する企業と生物多様性の動向・欧州の最新の動き
季刊 政策・経営研究 2014.vol.3


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【発行】株式会社フルハシ環境総合研究所 

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